★★ 星ふたつ作品群


冥 婚 

Ghost Wedding

2021-香港:C-87m.

導演::梁鴻華

演員:陳家樂,陳嘉桓,雨僑,羅蘭,張達明,雪梨

最近は海外の配信を見回りしてると最新作がふと観れたりします。

これはちらっと覗いてみると羅蘭の顔が見えて、さらに張達明の名前があるではないか!なのですぐ観始めました。

今日は精神的にも肉体的にもハードな一日で夕方にお風呂に入ってくたばるしかなかったので、その後の鑑賞では寝てしまう恐れもあったのですが、達明の出てる作品なら観ないわけにはいかないのです。2021年とは結構前ですね。

物語は実に鬱陶しく、これまた鬱陶しい見た目の主役でそのマジックで描いたような眉何とかしろよ、と進言してあげたくなります。

いい若者がうじうじうじうじして周りの女性に力づけられながらまだうじうじと幽霊を怖がる物語。ちらっと達明の古い写真が出てくるので、まさか出演はこれだけか!と思ったらしっかり出てきました。しかも青年メイクから90歳メイクまで七変化。最後に来日した時に渋谷のホテルでふたりでランチして以来会ってないのでもう10年くらい会ってないのかもしれません。離婚直後で落ち込んでる時で普段は基本的に車とかバカ話なのですがあの時は違いました。体調が最悪っぽいという話ばかり香港や日本の知人から入ってくるので心配なんですが。毎年誕生日だけはメッセージの交換してたんですが今年はできなかったし。だから近年の達明の真の姿がどんな風なのか判らないので、ここでの七変化のどこまでが特殊メイクなのか不明。まぁ、青年時代のは特殊メイクなのはわかりますが。

羅蘭はもうどこまでが特殊メイクなのかもわかりません。ここ30年見た目が全然変わっていないようにも思われます。

おまけとして、シドニー(雪梨)の老人姿有り。主人公の母親役で、顔は知ってるけど、誰?と思って観てました。クレジット観てびっくり。『養鬼』でその美しさで驚いて追っかけましたねぇ、もう40年以上前でしょうか。

達明の出てる部分は個人的な思い入れも有ってなかなか有意義では有りました。が、全体的にぐだぐだうじうじ同じ事を繰り返してる早送り推奨作品ではあります。配信の巻き戻しや早送りって機器によってはまったくできなかったりするんですね。今回、海外配信機器を入れ替えたのは、リモコンを確認して早送りボタンがあるものにしたかったからでした。


ハーツ・アンド・アーマー 

(1982-Italy:C-101m.)

HEARTS AND ARMOUR

監督:ジャコモ・バティアート

脚本:ジャコモ・バティアート,セルジオ・ドナティ,ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ

出演:タニア・ロバーツ,バルバラ・デ・ロッシ,リー・マクロスキー,リック・エドワーズ,

ロン・モス,ゼウディ・アラヤ,マウリツィオ・ニケッティ

この年代のイタリア史劇ってどうよ、と思いながら観たのですが、ケレン味たっぷり、美女の裸たっぷり、そして鎧大戦、と呼びたいほどの現実味の無い奇怪な鎧で登場する騎士で溢れています。なぜか侍も混じっているのですが。

タニア・ロバーツが出てる、ので観る気になったのですが、やっぱり作り手の独りよがりな世界を見せられてるだけじゃないか、って気になってきます。

101分が5時間くらいの大作に感じました。まぁ、お金のかかった大作ではあるのかなぁ。ロケーションはきちんとやっててスケール感は有ります。


声 姿なき犯罪者

On the Line

(2021-韓国:C-109m.)

監督:キム・ソン&キム・ゴク

出演:ピョン・ヨハン、キム・ムヨル、キム・ヒウォン

ここまで組織的に世界を股にかけて行われたら普通の人は振込詐欺にはもう敵わないだろう。ただ、この詐欺の基本は「家族の誰かを助ける」って意識が常に必要、という事。そういう意味では家族の結びつきを何よりも大切にする韓国や中国は格好の舞台であると思える。まぁ、私には通用しないな。しかし、今の世の中、ハッキングとかWEBでだましたりとかそういう技を持ってないと生き残れなくなってきてるのか。そして、結局、人並外れた執念と熱血を持ってでないと何も解決できない、というのは韓国映画ならでは。まぁ、情念よりも金を取り戻すんじゃ、という算段が前に出てしまう物語なのであまり感動が残るわけではない。


ハンガー 飽くなき食への道

Hunger

(2023-タイ:C-130m.)

製作総指揮 コンデート・ジャトゥランラッサミー

監督 シティシリ・モンコルシリ

原案 コンデート・ジャトゥランラッサミー, シティシリ・モンコルシリ

出演 チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、ノパチャイ・チャイヤナーム


上にスタッフやキャストの名前書いてて疲れ切った。タイの人々の名刺ってレイアウトどうなってるんだろう。

今流行りの料理うまそう映画にプラスして無名から這い上がる若きチャレンジャー、しかも女性、なんて面白そうな要素をぶち込んだ。が、ぶち込んだだけ、。もちろん、超有名店にスカウトされた無名の大衆食堂の娘コックの成り上がり物語ってのは面白そうなのだ。が、実際のビジネスの世界として、こんな簡単に自分の気分だけで店やったり、やーめた、とかできていいもだろうか。後先考えない気質が普通なのか?

130分の超大作を観せて、なんやこの終わり方?と疑問に思う。「飽くなき食への道」って邦題付けてるが、簡単に飽いとるやないの。まぁ、どうしてもヒロインの容姿が受け入れられない、って個人的な困った我儘もあるのだが。

非常宣言

EMERGENCY DECLARATION
(2022-韓国:C-141m.)

監督:ハン・ジェリム

出演:ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワン、キム・ソジン、パク・ヘジュン


超大作である!ソン・ガンホ、イ・ビョンホンの共演だ!何回目だ!冒頭から嫌なことが起こりそうなムード満開のパニック映画であります。犯人の陰湿さ、その犯行の絶望的な状況。面白くなる要素はいっぱいあったのだ。が、なんかどれもこれもどっかで観たことのあるキャラクターばっかりで。しかも、物語の途中まで、飛行機に乗ったのはソン・ガンホのお母さんだとばかり思ってたのだが、奥さんだったのね。そして妹だと思ったのは娘だったのね。まぁ、どうでもいいんですが。冒頭から、業界用語で「非常宣言」ってのはこういうもので、と重々しく説明が入る。ああ、これが発令されるのだな、と思いながら観るのだが、もっと早く発令しとけよ、と思わんでもない。そして、これが重要なのだが、非常宣言がなされても、何の役にも立っていないのだ。これがすべてに最優先される、って重々しい説明はなんだったのだ、と。もしかして、これ、結構ハズレな作品かもしれないぞ、と。『カサンドラ・クロス』を空に置き換えただけじゃないのか。さらにいろんな映画から、どっかで観た、ようなエピソードとかキャラクターを取って付けただけでは。と。肝心のソン・ガンホが何をやっているか、と言えば、やりそうな事をやるんですが。で、結局、結論としては、あの抗ウィルス剤はダメ、じゃなかったのではないか、と。製薬会社に乗り込んでもめるあたりで得意技ドロップ・キックを出さないとダメですね。劇中のアメリカ政府もひどいけど日本政府も極悪非道の描かれ方でしたねぇ。だいたい、普通、こういうシチュエーションだと受け入れると思うけど。自衛隊のジェット機も「近すぎて撃てませんでした」なんてあり得ないでしょう。何かと初歩的な???の残るところが多くて私にとっては感動の一作、というわけにはいかなかったですねぇ。

守護教師

동네사람들 Neighborhood

(2019-韓国:C-99m.)

製作Seo Jong-hae
監督Im Jin-sun

脚本Im Jin-sun

出演マ・ドンソク,キム・セロン,イ・サンヨプ

いったい同じようなのがいくつかるんだ、のマ・ドンソクの主演作品。けど、何観ても、いいんだよなぁ、この人。この作品はとにかく、わかりやすい。マ・ドンソクが出てきて、何を、どうするのか、が冒頭5分で分かってしまうのだ。だからといってそれが悪いんじゃなくて、マ・ドンソクの主演映画を観るのだ、と観客もどっか安心するんです。だから、何も残らない、ってのが悪いわけじゃないんです。結局、マ・ドンソクは良いのだから、いつものように。キム・セロンってこんなすっきりと背の高い美女になったんですねぇ。子どもだと思ってたのに。
まぁ、すぐに記憶からは消えそうな作品ですが。

モーターウェイ

車手
(2012-香港)監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
出演:ショーン・ユー(余文樂)、アンソニー・ウォン(黄秋生)、バービー・スー(徐熙媛) ジョシー・ホー
、シェル・イェー
ジョニー・トーがまた商売っ気たっぷりで作ったな、と軽く観始めたのですが監督がソイ・チェンであるあたりで、う、となってしまう。しまった心の準備ができてなかったぞ。このキツイ監督か。しかしこのヌルい題材では監督もいかんともしがたかったのでは。結局、暗くて何だか良く見えない画面にストレスを感じたまま終わってしまった。
さて、ここでは交通警察の身分で相当に趣味を仕事に活かしている主人公たち。ショーン・余文樂は悪い役者ではないのだ。が、あまりにも同じようなキャラクターばっかしでいつまでたっても若輩者キャラクターから抜けられない。ここではもう計ったようにアンソニー黄秋生の大先輩から運転と車の心得を授かる若者役。こうなるとなにがどうなってどうなる、って最初から最後まで予想できる作品になってしまいつまらんよ。
私もいつも旺角とか太子の一角で日本製の型遅れの車を路上でいじって楽しんでいる人たちをある種の懐かしさを持って見ているのですが、この狭い香港で車を所有するという趣味ってのは結構贅沢なんだろうね。
しかし180XをS13って呼ぶのはある意味大きく間違ってはないんだけど抵抗があるんだよね。映画の作り手には車趣味がいなかったのか?
そしてやはりここでもバービー徐熙媛の美しさに見とれる瞬間あり。やっぱりこの人は化粧映えする皮膚なんだろうね。ジョシー何もそのお見事なまでの眉毛にみとれつつ。かつて目の前数十センチで皮膚のすべすべの美しさに見とれたことはありますが。
ご当地ではこれ結構な大ヒットだったらしいけど、やっぱり普段はちまちました運転を強いられる香港のドライバーたちの鬱憤晴らしとして響いたのかねぇ。

リトル・シングス

The Little things

(2021-US:C-128m.)

製作総指揮ケヴィン・マコーミック,マイク・ドレイク

製作ジョン・リー・ハンコック,マーク・ジョンソン

監督ジョン・リー・ハンコック

脚本ジョン・リー・ハンコック

音楽トーマス・ニューマン

撮影ジョン・シュワルツマン

出演デンゼル・ワシントン,ラミ・マレック,ジャレッド・レト,クリス・バウアー

デンゼル・ワシントンは現代のシドニー・ポワチエか?誰もがふと思うと思う。でも、やっぱり違うんだよなぁ。どこか、善良でないところが内に残ってる、んだよなぁ。そして、この作品はそういう面をちゃんと活用したドラマである。連続猟奇殺人犯を追う元・名刑事の孤独の戦い、ってとこでしょうか。本来だったらぞくぞくするほど面白そうな話なのに、なんでこんなに面白くなくなるのか。猟奇事件の犯人捜しより別のものに焦点が移ったから。そのための説明的な意味不明な描写がところどころ出現。これは観客不在の作り手の我儘さ。脚本もう一度練ってから出直してきなさい、って感じ。アカデミー主演賞獲ってからすっかり有名になってしまったラミ・マレックの刑事が「なんか宗教が俺たちと違うようだ」なんてセリフが出ると彼を良く知る本国の観客はみんな笑うんでしょうか(本人は実際にコプト教徒、両親がエジプト人だから)。どんな映画に出てもアラブ系の役ばっかりだったけど(『ナイト・ミュージアム』三部作も印象的)、やっぱり以後もアラブ系の役ばっかりなんだろう。

まぁ、ちょっと残念だった一作です。なんでこんなに後味が悪いんだろうと思ったら、あの容疑者の男の性格と見かけと態度と歩き方を喋り方と......とても不快なこいつのせいなんだろう。

忘れえぬ慕情

Typhon sur Nagasaki / Printemps à Nagasaki

(1956-日・仏)
製作 高村潔,レイモン・フローマン

監督 イヴ・シャンピ

脚本 松山善三,ジャン=シャルル・タケラ,アネット・ヴァドマン,イヴ・シャンピ
音楽 木下忠司
撮影 アンリ・アルカン(撮影監督),アンリ・ティッケ,中島信雄


,先日お亡くなりになった岸恵子の追悼上映作品。『細雪』にしようか『悪魔の手毬唄』もしようかと思ってたところ、配信で通りすがりにこれに出会ったので。松竹マークの後に「長崎」と地名が出てその後に題名だったのでびっくり。長崎県とのタイアップの度合いが感じられます。岸恵子としては監督イブ・シャンピとのこの出会いが吉だったのかそうでなかったのか。著作(『私のパリ、私のフランス』)なんか読んでみると文化への入り口としてのきかっけとして尊重していたようですが。脚本のクレジットに松山善三とイブ・シャンピの名前が並ぶところが異様。主演岸恵子の後に外国勢配役クレジットはまずダニエル・ダリュー。そしてジャン・マレー。このへんが本国でも格というもんなんでしょうね。続いて野添ひとみの横にゲルト・フレーベの名前が並ぶのも異様(フルーベと表記されてました)。ちなみに野添ひとみの可愛さが尋常じゃありません。物語が始まってみると、開巻1分で主人公たちはもう恋愛状態。そこにいたるまでの経過が無く話が流れていくので、なんか駄作感が妙に感じられてきます。フランス合作なので異国情緒は必須。外国人女性による着物姿、わぁ、あはは、似合う、は当然出てきます。私はどうもこれが好きでなくて、たとえダニエル・ダリューがやろうとも『ドラゴン怒りの鉄拳』香港公開オリジナル版の芸者はだかシーンと大差無いよう思えるのです。原爆のレポを書きに来たのよ、原爆って何月何日?とかジャン・マレーが厳島神社の入り口で煙草を投げ捨てたり、長崎の家は台風で壊されてもすぐ直せるような作りになってるんだ、とかどうにも上から目線が感じられます。主要登場人物の他に同僚の山村聡もホテルのバーテンもボーイも普通にフランス語を喋るのはまぁ許しましょう。ジャン・マレー演じる登場人物がどうも好きになれなくて(髪型が嫌なだけでなくて)。スイス系ドイツ人のゲルト・フレーベ曰く、フランス男はみんなこんな感じであちこちで同時に女性を好きになってそのどれもが本気なんだ、と。フランス人監督と結婚に至った岸恵子はこれをどう考えていたんでしょうか。ジャン・マレーの踊りのシーンも初めて見ました(当時の日本の流行か、ひどい踊りです)。こんな風に人間ドラマは特に見るところなく進むのですが、クライマックスの台風シーンが凄い!暴風雨、時化!矢島信男特撮ですが金かかってます!その辺の低予算の特撮映画とは比べ物になりません!フランス語の題名も"Tyhon sur Nagasaki(『台風の長崎』)"ですからなねぇ。ここだけは満点です。

メグレと若い女の死

Maigret

(2022-仏*C-89m.)

監督 パトリス・ルコント

製作 ジャン=ルイ・リビ

原作 ジョルジュ・シムノン

脚本 パトリス・ルコント ジェローム・トネール

撮影 イブ・アンジェロ

音楽 ブリュノ・クーレ

出演 ジェラール・ドパルデュー,ジャド・ラベスト,メラニー・ベルニエ,オーロール・クレマン

そう言えば思い付きでローワン・アトキンソンが演じたメグレのDVDを何枚か買っていたはず。いったいどこでどうなったらこういう配役を思いつくんだ、と感心した結果でしたが。

パトリス・ルコントとドパルデューで今更こういうクラッシックなネタを扱う必要が有るのかねぇと思ったら本国では意外なヒットだったらしい。

しかし、若くてはつらつとしたイメージがいつまでも有るドパルデューが100キロもの体を引きずって歩くような老人の姿は寂しいものがある。とは言っても彼もこの作品の時は74歳である。

シムノンの原作は読まないまま観てしまいましたが、どこに惹かれたらよいのかわからないまま観終わってしまった。これが原作の持つ「味」なんでしょうか。

『ルシアンの青春』であのように若くてすべすべだったオーロール・クレマンが目鼻の引っ込んだ老婆77歳になっているのに衝撃を受けた事もあって、これは観ないほうが良かったかな、と。